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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁

青空文庫

三

気象の烈しい女主は、くどいお辞儀を続けている母親を見下すようにして、「東京は田舎と異って、何もしずに、ぶらぶら遊んでいるような者は一人もいないで、為さあのような精のない人には、やって行かれるかどうだか私ア知らねえけれど、まず一ト通りや二タ通りのことでは駄目だぞえ。」と、ずけずけ言った。

「そうでござんすらいに……。」と、母親は淋しい笑顔を作って、ずらりと傍に並んで坐った子供を見やった。

子息の菊太郎は、ニコニコしながら茶をいれて衆に侑めた。

「大きくなったな。お庄さんは幾歳になるえね。」と、お庄の丸い顔を覗き込んだ。

部屋には薄暗いランプが点されて、女主の後から三男の繁三が黒い顔に目ばかりグリグリさせて、田舎から来た子供の方を眺めていた。

やがて繁三につれられて、お庄は弟と一緒に近所の洗湯へやられた。

三

その晩お庄は迷子になった。

「お庄ちゃんは女だから、そっちへお入り。」と、お庄はパッと明るい女湯の中へ送り込まれて、一人できょろきょろしていた。そこには見たこともない大きい姿見がつるつるしていた。お庄は日焼けのした丸い顔や、田舎田舎した紅入り友染の帯を胸高に締めた自分の姿を見て、ぼッとしていた。