輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁

青空文庫

その晩は銀座の地蔵の縁日であった。お庄は帰りにそっちへ廻って、人込みのなかを子供を負ったり歩かせたりして彷徨いていた。土の臭いと油煙と人瘟気とで、呼吸のつまりそうな通りをおりおり涼しい風が流れた。お庄は背や股のあたりにびっしょり汗を掻きながら、時々蓄音機の前や、風鈴屋の前で足を休めて、背で眠りかける子供を揺り起した。汚い三尺に草履を突っかけた職人などが、幾度となくお庄の顔を覗いて行った。「こんなに若くて子持ちかい。」などと大声に言って、後から押して来る連中もあった。

帰って子供を卸してから、お庄は袂のなかに悪戯されたことにやっと気がついた。

翌日お庄は、涼しい朝のうちに、水口の外へ盥を持ち出して、外の浴衣と一緒に昨夜の汚れものの洗濯をしていた。手拭を姉さん冠りにして着物を膝までまくって、水を取り替え取り替え滌いでいた。そこへ腹掛けに半纏を着込んだ十三、四の子供が、封書のようなものを持って来た。そして、「……公が、ちょっとこれを見て下さいッて。」と言ってお庄に手渡した。

「変な小僧さんが、こんなものをくれましたよ。」とお庄は前垂で手を拭き拭き上へあがって、叔父の前へ差し出した。