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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
線上閱讀徳田 秋声《日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 頁
頚筋や肩のあたりが、叔母のいたころから比べると、著しい痩せが目立って、影が薄いように思えた。
叔父が出て行くと、やがて母子は差し向いに朝飯の膳に向った。
「昨夜の人に返す金の工面にでも行ったろうえ。」
二人は、また叔父の噂をしはじめた。叔父が遊んでいる女に費う金だけでも、このごろの収入では追っ着きそうなこともなかった。応募者が、予期した十分の一もなかったことが、女連にもだんだん呑み込めて来た。
事務員が、寝飽きたような腫れぼッたい顔をして、暗い三畳の開き戸を開けて出て来た。そして目眩しそうな目を擦った。綻びた袖口からは綿が喰み出し、シャツの襟も垢や脂で黒く染まっていた。お庄はくすくす笑い出した。この男がここへ来てから、もう三月にもなった。
「もう何時です。」事務員は目をって時計を眺めた。
それから水口の方へ出て顔を洗うと、間もなく膳の側へ寄って来た。紫色に爛れたような面皰が汚らしかった。
飯がすむと、お庄は二階へあがって叔父の寝所を片着けにかかった。冬の薄日が部屋中に行き遍っていた。お庄は蒲団や寝衣を持ち出して手擦りにかけながら、水に影の浸った灰問屋の庫が並んだ向う河岸をぼんやり眺めていた。