Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

みやもとむさし

宮本武蔵(一)

吉川 英治

Read 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) by 吉川 英治 (よしかわえいじ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 231,525 characters · 463 screens

Aozora Bunko

三

足軽でもと、押売り同様に陣借りして、いざ戦場へと出てみると、いつも姦見物の役や、道ごさえの組にばかり働かせられ、槍を持つより、鎌を持って、草を刈った方が多かった。大将首はおろか、士分の首を獲る機もありはしない。そのあげくがこの姿だ、しかし、ここでおぬしを犬死させたら、お通さんや、おぬしの母親に何と、おれは謝ったらいいか」

「そんなこと、誰が武やんのせいにするものか。敗け軍だ、こうなる運だ、何もかも滅茶くそだ、しいて、人のせいにするなら、裏切者の金吾中納言秀秋が、おれは憎い」

三

程経てから二人は、曠野の一角に立っていた、眼の及ぶかぎり野分の後の萱である、灯も見えない、人家もない、こんな所を目ざして降りて来たわけでないはずだがと、

「はてな、此処は?」

改めて、自分たちの出て来た天地を見直した。

「あまり、喋舌ってばかり来たので、道を間違えたらしいぞ」

武蔵が、つぶやくと、

「あれは、杭瀬川じゃないか」

と、彼の肩にすがっている又八もいう。

「すると、この辺は一昨日、浮田方と東軍の福島と、小早川の軍と敵の井伊や本多勢と、乱軍になって戦った跡だ」

「そうだったかなあ。