Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

みやもとむさし

宮本武蔵(一)

吉川 英治

Read 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) by 吉川 英治 (よしかわえいじ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 231,525 characters · 463 screens

Aozora Bunko

お許を、宿の妻にせんと真実もって存ずるなり、千石どりの奥方ともなれば、栄華も意のままに候ぞかし。八幡、偽りはあらじ、この文を、誓紙がわりに持ち候らえ。又、武蔵が首級、良人のためぞと、それも必ずお携え給わるべく候。

先は、急ぎのまま、あらまし。

丹左

「お通さん、御飯を食べたかね」

外で沢庵の声がしたので、お通は、草履をはいて出て行きながら、

「こん夜は食べたくないんです。すこし頭が痛くて――」

「何じゃ! 持っておるのは」

「てがみ」

「誰の」

「見ますか」

「さしつかえないならば」

「ちッとも」

お通が渡すと、沢庵は一読して、大きく笑った。

「苦しまぎれに、お通さんを色と慾とで買収と出おったな。あのお髯どのの名が青木丹左衛門とはこの手紙で初めて知った。世の中には、奇特なさむらいもある。いや、おめでたいことだ」

「それはいいですけど、お金がつつんであったのです。どうしましょう、これを?」

「ホ、大金だのう」

「困ってしまう……」

「何の、金の始末なら」

沢庵は取って、本堂の前へ歩いて行った。そして、賽銭箱の中へ抛り込もうとしかけたが、その金を額に当てて拝んだ後、

「いや、そなたが持っておるさ。