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Japanische Klassiker mit Furigana

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きどうむかしがたり

綺堂むかし語り

岡本 綺堂

Lesen Sie 綺堂むかし語り (きどうむかしがたり) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 183.656 Zeichen · 363 Bildschirme

Aozora Bunko

私のほかには商家の小僧らしいのが二人はいっているきりであった。徳さんはいい心持そうに続けて唄っていた。しみじみと聴いているうちに、私はなんだか寂しいような暗い気分になって来た。お玉さんの兄妹が今の元園町に孤立しているのも、無理がないようにも思われて来た。

「どうもおやかましゅうございました。」

徳さんはいい加減に唄ってしまうと、誰に云うとも無しに挨拶して、流し場の方へすたすた出て行ってしまった。そうして、手早くからだを拭いて揚がって行った。私もやがてあとから出た。路地へさしかかった時には、徳さんの家はもう雨戸を閉めて燈火のかげも洩れていなかった。霜曇りとも云いそうな夜の空で、弱々しい薄月のひかりが庭の八つ手の葉を寒そうに照らしていた。

わたしは毎日、大抵明るいうちに湯にゆくので、その柚湯の晩ぎりで再び徳さんの唄を聴く機会がなかった。それから半年以上も過ぎた或る夏の晩に又こんなことがあった。わたしが夜の九時頃に涼みから帰ってくると、徳さんの家のなかから劈くような女の声がひびいた。格子の外には通りがかりの人や近所の子供がのぞいていた。

「なんでえ、畜生。