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Japanische Klassiker mit Furigana

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きどうむかしがたり

綺堂むかし語り

岡本 綺堂

Lesen Sie 綺堂むかし語り (きどうむかしがたり) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 183.656 Zeichen · 363 Bildschirme

Aozora Bunko

それが夜の白らむまで、八、九時間も小歇みなしに続いたのであるから、実に驚いた。大袈裟にいえば、最後の審判の日が来たのかと思われる程であった。もちろん眠られる筈もない。わたしは頭から毛布を引っかぶって、小さくなって一夜をあかした。

「毎日大砲の音を聞き慣れている者が、雷なんぞを恐れるものか。」

こんなことを云って強がっていた連中も、仕舞いにはみんな降参したらしく、夜の明けるまで安眠した者は一人もなかった。夜が明けて、雨が晴れて、ほっとすると共にがっかりした。

その二は、明治四十一年の七月である。午後八時を過ぎる頃、わたしは雨を衝いて根岸方面から麹町へ帰った。普通は池の端から本郷台へ昇ってゆくのであるが、今夜の車夫は上野の広小路から電車線路をまっすぐに神田にむかって走った。御成街道へさしかかる頃から、雷鳴と電光が強くなって来たので、臆病な私は用心して眼鏡をはずした。

もう神田区へ踏み込んだと思う頃には、雷雨はいよいよ強くなった。まだ宵ながら往来も途絶えて、時どきに電車が通るだけである。眼の先もみえないように降りしきるので、車夫も思うようには進まれない。