Classici giapponesi con furigana
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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Leggi 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 244.473 caratteri · 487 schermate
五
「火事は過失ではない」
万三郎はそう呟いた。
「過失なら一家ぜんぶが焼死するということはないだろう、おそらく外部から誰かのやった仕事だ、――休之助を生かしておけない理由があって、失火とみせかけて、一家を暗殺したのに相違ない」
その点だけは間違いではないだろう。小父さんも捉まると殺される、そう云った少年の言葉がそれを裏書きしていた。
「――慥かに」
と云いかけて、万三郎ははっと、刀に手を伸ばしながら振返った。
五
階段をあがって来る人の足音がしたのである。
考えていることがことなので、万三郎はどきりとし、左手に刀を取って身構えた。足音は静かにこっちへ来たが、それと共に、灯の明りが見え、若い女中が行燈を持って入って来た。
すでに暗くなっていた部屋の中は、それでにわかに明るくなった。
「おそくなって済みません」
女中はこう云って行燈の火を程よくかきたて、
「お客さまがみえておりますが、御案内してよろしゅうございましょうか」
「どんな客だ」
万三郎は女中の顔を見た。
「若いお嬢さまのような方でございます、頭巾をしていらっしゃるのでよくはわかりませんけれど、ごようすでみるとそのような」