Classici giapponesi con furigana
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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Leggi 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 244.473 caratteri · 487 schermate
二
「そこで鬼六に捉まったんだね」
「そうじゃないの、そのときは大山帰りの親切なお爺さんに助けてもらったのよ」
おちづは溜息をついた。
「親切でやさしくって、ほんとにいいお爺さんだったわ、――でもいい人って大抵お金がないもんね、そのお爺さんも木賃宿へ泊って、自分でお粥を拵えてあたしに喰べさしてくれたわ」
「そういうものらしいね、世の中ってものは」
誘われたように松吉も溜息をついた。
「金持にはろくな者はいないし、善い人は貧乏、――そんなところが世間の相場らしいよ、いくら御時勢が変っても、こればかりは変らないようだからね」
二
「そのお爺さんは江戸へ帰るところだったわ」
とおちづは続けた。
「あたしにも江戸へ帰れと云うの、あたしお伊勢さまへぬけ参りにゆくと云ってあったでしょ、お爺さんはそんなことはやめて江戸へ帰れ、途中でどんな災難にあうかもわからないからって。
でもあたし帰る気にはなれなかった、どんな苦労をしてもいいから、紀州という処までいって、半ちゃんに会うつもりだったの、その話を聞かれたのね、こっちは気がつかなかったけれど、あたしとお爺さんが話しているとき、そばにいたへんなお婆さんが、急にこっちへ話しかけたのよ。