Classici giapponesi con furigana
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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Leggi 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 244.473 caratteri · 487 schermate
烈火の剣
一
男はふくべの栓を抜き、袂から盃を二つ出して、一つをかよに持たせた。
「わたくしもう頂けませんわ」
「まあ一つ、――少し酔わないと、聞いて胆を消すかもしれないぞ」
男はかよに酌をし、自分も手酌で三杯ばかり、続けさまに呷った。ふくべの口でとくとくと酒の鳴るのが、万三郎の耳にはっきりと聞えた。
「憎いのは花田徹之助だ」
と蔵人が云った。
烈火の剣
一
万三郎は殆んど叫びかけた。
渡辺蔵人の言葉が、あまりに思いがけなかったからである。彼はさも憎にくしげにこう続けた。
「みんなあの男のためだ、花田徹之助というあの男め、――もう手も足も出まいと思っていたのに、くそっ」
そしてぺっと唾を吐いた。
全身が耳になったような、神経の激しい緊張を感じながら、万三郎はじっと次の言葉を待った。
蔵人はなおかよに酒を強い、自分でもぐいぐいと呷りながら云った。
「深川にある井伊家の下屋敷がかれらの本拠だとわかったから、逐い出しをかけたうえ一網打尽の策をとった、ところがほんの一歩の差でかれらを取り逃がした」
「なぜ踏込まなかったんです」
「井伊家で逃がすとは思わなかった、白川侯の睨みが利いている、田沼との関係で逼塞している状態だから、よもやそんな勇気はないだろうと思ったのだ」