Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Leggi 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 244.473 caratteri · 487 schermate

Aozora Bunko

五

半次は当惑していた。おちづの話はよくわからない、はっきり意味はわからないが、なにかしら聞いては悪いような、また禁じられている秘密に触れるような感じで、われ知らず胸がどきどきした。

「もうそれでおしまいにしてくんな、そして寝ることにしよう」

「あたし眠れやしないわ」

「腹が減ってるんだろう」

半次はふところから焼芋の袋を出し、おちづに与えて、藁束の上へ横になった。

五

「半ちゃんは喰べないの」

「おらあ喰べて来た」

半次は頭の下で両手を組んだ。おちづはまだときどきしゃくりあげながら、空腹だったのだろう、もう冷たくなっている焼芋を、むさぼるように喰べた。

「おらあ明日、旅へ出るぜ」

半次が云った。

「旅って、――遠いの」

「紀州の田辺ってとこへゆかなくちゃならねえんだ」

「お屋敷のお使い」

「もうほかに人がいねえし、いろんな事がむずかしくなったから、いそいでゆかなくちゃならねえんだ」

「紀州って遠いんでしょう」

「当りきよ、お伊勢さまよりもっと遠いんだぜ」

「箱根とどっちかしら」

「そりゃあおめえ、――」

半次は詰った。おちづも彼も、箱根そのものを知らないのである、当時の江戸では「箱根から向うは化物が出る」