Classici giapponesi con furigana
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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Leggi 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 244.473 caratteri · 487 schermate
四
「あら、なぜですの」
「そんなことは事実じゃあないし、若い男女の口にすべきことでもないからです」
「事実じゃあないんですって」
「むろんですとも」
「では三郎さまは、かよを好いてはいらっしゃらないというんですわね」
かよはくるっと向き直った。
片手でひき寄せた薬箱をあけ、中から膏薬を取出すと、ごく自然な動作で万三郎を招いた。
「ちょっと此処までいらしって下さい」
万三郎はあがっていった。
諄いようだが、彼は単純であり、底抜けなほど人間を信頼する、かよはそれをよく知っていた。彼を翻弄することにかけては、誰にも負けない自信があったし、それはまたいいようもなく楽しいものであった。
「はいこれ、――」
そばへ来た万三郎に、かよはそう云って膏薬を渡した。じつに巧みな自然さである。万三郎はそれを受取った。
「どうするんです」
「貼り替えて頂くのよ」
そして、かよは着物の衿を左右にひらいた。
「う、――」
万三郎は妙な声を出した。
眼の前でぱっと、かよの胸があらわになった。雪白の肌が、いきなり彼の眼へとびこんできたようであった。彼は反射的に眼をそらしたが、なめらかに脂肪を包んだ肌の色と、たっぷりと豊かに、重たげな乳房のまるみと、そうして二つの小さな鴇色の蕾とが、そらした眼の裡にはっきりと残って、彼を狼狽させ、のぼせあがるような気持にさ