Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Leggi 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 244.473 caratteri · 487 schermate

Aozora Bunko

七

「しかし山霊というのはどういうわけだ」

休之助はたたみかけて訊いた。

七

老人はなにかを怖れるように、声をひそめて答えた。

「それは、たった一人だけ生きて帰った者が見たというのです」

「山霊を見たって、――」

「それは真壁という村の、弥助という百姓の伜でしたが、七人の仲間といっしょに、ちょうど夜なかの八つ刻(二時)ごろ、――弁天谷を登っていったのだそうです」

妖しい声はときをおいて、谷の奥から聞えて来た。星もない闇夜であるが、かれらは狼かなにかのけもの(血気の連中だから化物だとでも思っていたらしい)を退治するつもりなので、松明は持っていたが、火はつけてなかった。約三町ばかり登ると、昔そこに弁天堂のあったという、平たい空地がある。いまは雑草と灌木が生えているばかりだが、そこへ来たとき、突然、闇の中から怪しいものがかれらに襲いかかった。

数はこちらの倍くらいいた。

全身がまっ黒で、人か怪物かわからない。ぞっとするような奇声をあげて襲いかかり、弥助はたちまち気絶してしまった。

彼は脾腹を打たれたらしい。どのくらい経ってからか気がついてみると、闇の中に自分だけ倒れていた。