Classici giapponesi con furigana
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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Leggi 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 244.473 caratteri · 487 schermate
二
若侍は辛抱ができなくなったらしい。
「それでいったい家人はどうしたのですか」
「つまり、お気の毒と申すのはそのことでございますが、御一家ぜんぶ御焼死なさいましたようで――」
若侍はあっと口をあけた。
二
「な、なんですって」
花田万三郎という若侍は吃って云った。
「それは本当ですか、主人の休之助もですか」
「御尊父も御息女も奥さまも、みなさまぜんぶ」
老番士がそう云いかけたとき、門内の奥のほうから、侍が二人こっちへやって来た。どうやら番士と話している万三郎を認めたものらしい。万三郎は気がつかなかったが、老番士がそれを見て、
「ああ、いまあれへ消火のお係りがおいでなされます」
と云った。しかしそれより早く、万三郎のうしろへさっきの少年が走って来て、
「小父さんお逃げよ」
と叫びながら袖を引張った。
「逃げるんだよ小父さん」
「なんだ、どうしたんだ」
万三郎は袖をふり払おうとしたが、少年は力任せに引張りながら叫んだ。
「逃げるんだってば、捉まると小父さんも殺されちゃうよ、早く逃げるんだよ」
けんめいな表情であった。
万三郎は向うを見た。老番士はあっけにとられていたが、奥のほうから来る二人の侍は、こっちのようすに気づいたとみえ、なにか叫びながら急に走りだした。