Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Leggi 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 244.473 caratteri · 487 schermate

Aozora Bunko

――さっき触らなかったのは幸運だった。

もしもゆくときに触れていたらと思うと、万三郎は走りながらもぞっとした。鳴子の音と同時に、人の叫びが聞え、うしろのほうで雨戸のあく音がした。

二人は虎造の小屋の蔭へとびこみ、そこから土塀までひと息に走った。

裏門の番小屋があき、灯の光りがみえた。竹梯子は元のままになっていた。彼はつなを先に登らせた。

「雪で滑るから注意して下さい」

つなはすばやく登った。

そのとき、松明を持った十四五人の者が、裏門の処へ駆けつけて来た。吹雪を透して、松明のはぜる火の粉が美しく見え、人々の罵り喚く声がま近に聞えた。

つなのあとから梯子を登った万三郎は、自分が先にとびおりた。そこは吹溜りで、雪がもう三尺ばかりも積っていた。彼はすぐにつなのほうへ手を伸ばしたが、彼女はそれより早くとびおりた。しかしそのとき足首をどうかしたらしく、立とうとしてああと声をあげ、よろめいて膝をついた。

「挫きましたか」

万三郎はすぐに援け起こした。

向うで裏門のあく音がし、同時に、二人の頭上で絶叫する者がいた。

「おーいこっちだ、此処にいるぞ、此処だ」

梯子が発見されたのだ。