Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Leggi 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 244.473 caratteri · 487 schermate

Aozora Bunko

「温和しくするんだぞ、なあちい公、なにもおっかねえことはねえんだから」

屁十は律義な口ぶりで宥めた。

「おらっちでおめえを慰めてやろうっていうんだからな、いいか、大きな声なんぞ出すんじゃあねえぞ、わかったか」

「此処へおろすべえや」

「ちょいとまて、こいつまだ暴れそうだぜ」

屁十は困った。手を放せばおちづは暴れだしそうであった。彼の抱えている腕の中で、少女はじっと両足をちぢめているが、それは少し力を緩めると発条のようにはね返り、悪魔のように荒れ狂いそうな感じだった。

「頼むからよ、ちい公」

と屁十は哀訴した。

「おらっちは同情しているんだから、決して悪いようにゃしやしねえんだから、いいか、このとおり頼むから」

「ちい公をおろせ」

とつぜん叫ぶ者があった。

「やい屁十、ちい公をおろせ」

二人は仰天した。

かれらのすぐうしろに、いつ来たものか半次が立っていた。あたりは暗いが、川明りで、半次の敏捷そうな躯と、その手に丸太を持っているのが見えた。

「ああ、ああらら」

三島が喉声で喚いた。彼は新銭座で禿にやられてから、丸太を見ると逆上する癖がついていた。恐怖のあまり、おちづを放すことも忘れて、巨躰を跼めながら、彼は丸太から自分の頭を避けようとした。