Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Leggi 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 244.473 caratteri · 487 schermate

Aozora Bunko

「きさま、このおれが斬れないのか」

万三郎は黙って刀を中段につけていた。

半兵衛の直刀は中段やや下っていた。眼は刺すように万三郎を睨み、歯をくいしばって、踵を浮かした足でじりじりと間を詰めてくる。

そのとき小屋の一棟に火が移ったとみえ、あたりの煙がぱっと橙色に耀きだした。

万三郎はその光りを真面に受け、眩しさに思わず顔をそむけようとした。そのとき、半兵衛が踏込んで来た。

相手の刀をどう受けたか夢中だった。

戞! と音がし、火花が散った。

万三郎は左へ跳躍した。ひっ払った刀に、相手の刀が触れたのを感じた。相手の刀は充分に力がこもって、しかも柔軟だった。

――切り返して来る。

という直覚で、大きく跳びながらぞっとした。

自分の感じでおよそ四五間、つぶてのように跳躍した。が、半兵衛はすばらしい敏速さで追いつめ、

「えい、えいっ、――」

と息もつかせずあびせかけた。

万三郎はその切尖を躱すだけで精いっぱいだった。若さと躰力を賭けて、右に左に、跳躍し、すりぬけた。

すると半兵衛が転倒した。

追うことに苛立って、足もとを誤ったらしい、なにかに躓いて、だっと前のめりに倒れ、その手から刀が遠く飛んだ。