Classici giapponesi con furigana
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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Leggi 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 244.473 caratteri · 487 schermate
「へえ、――それはどうも」
万三郎はそのときのことを思いだし、改めておちづを見直した。
「それは奇遇だ、よく覚えているよ、おかげで危ないところを助かった、お礼を云うひまもなかったが、では、――おまえが」
「ええ、ちい公です」
「そうだ、半次とちい公と聞いたっけ」
「本当はおちづっていいます」
おちづは頬を赤らめた。
「それで、今はどこでなにをしているんだ」
「半ちゃんが紀州へいっちゃいましてから、いろいろなことがありました、ずいぶん辛いことがありましたけれど、今はもういいんです」
おちづは簡単に現在の身の上を語った。
「そういうわけで、これから姐さんのところへこれを届けにゆきますから、ゆっくり話してはいられないんですけれど、――半ちゃんのようすはまだわからないでしょうか」
「いや、半次は無事だよ」
万三郎は涙ぐんだ。
――こんな小さな子供たちにまで苦労させるなんて、じつに兄貴たちは不人情なことをするもんだ。
そう思うと、いじらしくって堪らなくなるのであった。
「紀州から手紙が来て、半次はうまく中谷という者に出合ったそうだ、もう用事も終ったようだから、まもなく帰って来るだろうと思う」