Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Leggi 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 244.473 caratteri · 487 schermate

Aozora Bunko

「やっぱり升屋へいらっしゃるんですって、あんたもいっしょに伴れてってやれって仰しゃってよ」

「あら、あたしも」

おちづは眼をまるくした。

「いま云ってたとこなのよ」

とおかみさんが云った。

「あたしもいちどおめにかかりたいって、願がかなったわけだね、ちいちゃん」

「どうしておめにかかりたいの」

松吉は着替えをするために、帯を解きながら訊いた。おちづは風呂敷包をひろげながら、ちょっと羞んで首を振った。

「どうしてでもないけど、だって姐さんの旦那だし、あたしも御恩になってるんですもの、お顔も知らないっていうほうがへんだと思うわ」

「それもそうね」

松吉はくるっと肌襦袢だけになった。

「でも気をつけておくれよ、舟の中は狭いから、失礼のないようにね」

「ええ知ってますわ」

「あんたは男の子みたいに乱暴なことをするんだから」

「大丈夫よ姐さん」

おちづは自信ありげに大きく頷いた。

支度ができると、かれらは舟で洲崎へ向った。

岡さまは五十四五になる。中肉中背で、おっとりとした、動作も言葉つきもごく静かな、武家というよりもどこかの大店の主人といった感じの人であった。

おちづは隅のほうに小さくなって、ときどきそっと岡さまをぬすみ見た。