Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Leggi 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 244.473 caratteri · 487 schermate

Aozora Bunko

「あたしこうしていたいの、あなたと二人っきりで、あなたに抱かれていればいいの、ねえ、もういちど抱いてちょうだい」

「用がないなら帰るよ」

「帰すもんですか」

女は万三郎の首へ手をまわし、のしかかって頬ずりをした。女の頬は火のように熱く、昂まった呼吸が彼の耳に触れた。

「おまえは誰なんだ」

万三郎は頬ずりをされながら、女の耳もとでそっと囁いた。女はくすくすとみだらな笑いをもらしながら、こんどは彼の頬を吸い、頸へ吸いついた。唇を頸へ押しつけたまま、彼のからだを撫で、それから含み声で云った。

「あたしはつなよ」

「云えよ、おまえはなに者だ」

彼は両手で女を抱き、じりじりと、しだいに強く、力をこめて緊めつけた。

「どんな素姓で、誰の手先を勤めているんだ、おれを誘惑してどうするつもりなんだ」

「――苦しいわよ」

女は呻き声をあげた。

「抱いてやってるんだぜ」

万三郎はさらに緊めつけた。

「放して、息ができないじゃないの」

「息詰る恋さ」

彼は笑った。女は唸った。

「いまに肋骨が折れるかもしれないぜ、男が恋の虜になると我を忘れるからな、――さあ云えよ、おまえはなに者なんだ、つなはどこにいるんだ」