Classici giapponesi con furigana
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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Leggi 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 244.473 caratteri · 487 schermate
「その口ぶりをやめろ、ぶった斬るぞ」
相手はとつぜん喚いた。
「そう云われておれが好い気持になるとでも思うのか、きさまはおれを軽侮しているんだろう、おれの落魄したざまが可笑しいんだろう、それならなぜ軽蔑しないんだ、どうして笑わないんだ、どうしてだ」
万三郎はあっけにとられた。
「また始まったね」
女がこっちへ立って来た。そして万三郎の手を取って座敷のほうへ引入れながら云った。
「飲むとからむのが癖なんです、構わないでこっちへいらっしゃいまし、なにか云えば云うほどいきり立つんですから」
「しかしあの人は」
「いいの、飲み直しましょ」
万三郎を坐らせると、女は廊下にいる石黒半兵衛に云った。
「そこを閉めて向うへいってちょうだい、もうおわかりらしいから、万三郎さまも温和しくなさるでしょう、こんどはおちついて悠くりおあがんなさい」
半兵衛は黙って障子を閉めた。それで、庭先の仄かな菊の白さが見えなくなり、廊下を足音が遠のいていった。
「どうしておれを斬らせなかったんだ」
万三郎は盃を受けながら、こう云って女の顔を見た。女はにっとこぼれるように笑った。
「さあ、どうしてでしょう」