후리가나로 읽는 일본 고전
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じけいろく
自警録
新渡戸 稲造
新渡戸 稲造의 自警録(じけいろく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 168,224자 · 328화면
それゆえに口外に放つ言語が、胸中で考えることと正反対の意味にとられることも間々ある。私は花が好きですといっても、聞く人によりてはこれを悪意に解し、華美を好むという印象を受けるものもあり、はなはだしきは物いう花と早合点する人さえある。言葉尻を捉えたり揚足を取る人ならば、花を好むというは、「戊申詔書」の華を去り実に就くというご趣旨に反く、違勅の逆臣なりなどいうこともあろう。世の中には実際この筆法をもって人を罪せんとするものがたくさんある。
また普通に甘党といえばいわゆる下戸を指し、酒を好まぬことを意味するのであるが、実際社会においては両刀遣いする人もあり、甘党であると同時にまた酒を呑む、上戸下戸を兼ぬる人は決して少なくない。こういう例を挙ぐれば限りなきも、僕のここに述べたき要点は、人がある言葉を用うれば、ただちにその反対の意味を排除するものでないことを説くのである。
およそいかなる物でも物として表裏なきものはあるまい。いかに薄き平面にても苟くも実物である以上は必ず表と裏とがある。表裏なき表面は、ただ幾何学上に現れた理想的の形たるにとどまる。幾何学上に称する点や線などは大きさなきものと説いてあるが、しかし針の尖でさえも一分一厘の何分の一というように必ず量り得る大きさを有するものである。