일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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じけいろく

自警録

新渡戸 稲造

新渡戸 稲造의 自警録(じけいろく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 168,224자 · 328화면

아오조라 문고

ここに焚く火の烟なりけり

これは少しでも実験ある人のみな感ずるところで、僕のように達しないものでも、これを適切に感じたことが二、三度ある。

ここに焚く火の烟なりけり

昔のある皇后の御歌に、

もろこしの山のあなたに立つ雲はこゝに焚く火の烟なりけり

われわれはとかく理想は遠い所にあり、唐土の山のかなたに立つ烟のごとく、ほとんどわれわれと没交渉のように心得、理想に憧憬れているという青年男女などは、日々学課をそっち退けとし、月や星を眺め、へたな歌をつくり理想を養うているというが、理想はそう遠いものでない。

「ここに焚く火の烟なりけり」で、日々やっていることのうちに理想が含まれてある。またこれを養うに遠方にゆき塵界を去らねばならぬものでない。われわれは山へ引っ込むもよい、塵界を去るもよいが、それが理想を養う必要条件では断じてない。理想は心の作用である、実際は身体の作用である。心と身体とは別であるがごとく、理想と実行とは別のごとくしてそうでない。われわれが一つの理想をもって世の中を渡ろうとするときには、その理想の中に身も入らなければならぬ。

実業家は店において、職工は工場において、学生は学校、家庭あるいは運動場において、女子はその台所において、いかなる位地にあっても、理想を実現することはできうる。