일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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じけいろく

自警録

新渡戸 稲造

新渡戸 稲造의 自警録(じけいろく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 168,224자 · 328화면

아오조라 문고

しかるに彼が十九歳のころなりしと聞く。一夜北国にありて月明に乗じ独り郊外を散歩し、一軒立ての藁家の前を通過せんとした。ふと隙漏る光に屋内を覗うと、炉を囲める親子四、五人、一言だも交さずぼんやりとして安を貪っていた。そのころ彼は、宗教家たらんとの念が最高潮に達していたときであったが、この有様を見、この考えが急に一転した。というのは親子夫婦共働し、雪を踏んで家に帰れば身体すでに疲憊し、夕食を終ればたがいに物語るだけの元気も失せ、わずかに拾った薪に身を暖め、安を貪るがごとき輩が、どうして教育や宗教などを考うる余地があろう。彼らをして人間らしい精神をもたせるには、まずなによりも衣食足るの道を講ぜしめねばならぬ。

さりとて衣食の充足のみに進ましむればただ奢侈に流るるのみである。衣食充足の道を講ずるとともに、精神的教訓を与うることはもちろん必要であるが、ともかく下層階級の経済状態を改善するは、すべての改良の根本なりとの観念に打たれ、その翌日より倫理学、心理学の書をかたづけ、急に経済学の書を読み始めたという談を聞いた。これだけの談を聞けば、彼は一時の感情に打たれて職業を決したようにも思われるが、また詳しくその事情を聞くとこの考えに到達するに順序があったようである。