轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
けんきょうじゅなん
剣侠受難
国枝 史郎
「東京日日新聞」1926(大正15)年5月28日~11月14日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,479 字 · 394 页
敵の片腕
二十日の月に照らされて、一匹の白布がノビノビと、地上から空へ引き上げられたようだ。ジャラーンという鉄杖の音! 修験者島原城之介である。
ブツブツ口小言をいっている。
「ヤキが廻ったね、このおれも。玉は取られる鳥には逃げられる。憐れをとどめたというものさ……たしかにこっちへ来た筈だが、どんなことがあってもとッつかまえなけりゃならねえ。……それはそうとどうしたんだ! 空が真ッ赤に焼けていらあ。ははあさては山火事だな」
そのおりからである。山上からカパカパカパとひづめの音、この坂道を乗りおろして来る。
「火事の知らせかな。それにしても、杣や炭焼きではなさそうだ。馬術に達した奴らしい」
つぶやいて窺う眼の先へ、木立むら葉をヌッとわけ、乗っ立てて来た一騎の武者、
「どけ、あぶねえ!」としわがれ声!
「や、手前は!」城之介、ピューと鉄杖を横へ振った。
敵の片腕
島原城之介力をこめ、ピューッと鉄杖を横へ振ったが、払い落とすことはできなかった。
馬上の人物手綱をしぼり、まずもって馬の両脚を、ピンと棹立てたものである。流れた鉄杖、手もとへ引きつけ、ふたたびないだ一髪の間に、ヤッとかかった「責馬」