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けんきょうじゅなん
剣侠受難
国枝 史郎
「東京日日新聞」1926(大正15)年5月28日~11月14日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,479 字 · 394 页
翔ける巨鳥
最後の一人のなのりである。
「実は」と能弁の三郎兵衛、「先刻南蛮屋にてお目にかかり、その際申し上げようと存じたところ、奥へ通られて出て参らぬ。そこで途中でお待ち受けし、甚だ失礼とは存じたが、一つには力量もためしてみたく、またご忠告も致したく、五人代わる代わる立ち出でて、お相手いたしたような次第でござる。……なんのご用で南蛮屋へ、おいでになったかは存ぜぬが、あそこは一種の秘密結社、それにイスラエルのお町と申して、容易ならざる毒婦がおります。ゆえあってわれわれ一味の者は、かれら一党を敵として、従来争って参りましたについては、敵に人数を増させまいと、時々出てゆき邪魔いたします。貴殿におかれても将来は、その辺充分ご用心なされ、彼らの餌食にならぬよう、これはご忠告と申すよりも、むしろわれわれのお願いでござる。いや実際貴殿のごとき、すぐれた人物が向こうに付かれてはわれら難渋いたします」
すると忠弥が進み出た。
翔ける巨鳥
つと進み出た丸橋忠弥、
「南蛮屋の一味を一口にいえば、天草、島原のキリシタン、その目的は邪教の布衍、ただし刻下の目的は、巻軸を奪おうとするのでござる。