轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
けんきょうじゅなん
剣侠受難
国枝 史郎
「東京日日新聞」1926(大正15)年5月28日~11月14日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,479 字 · 394 页
明払暁まで
こういったのは柴田三郎兵衛。
「これは潔い。さあさあいわれい!」つづいていったのは長崎左源太。
「拙者の書いた隠語でござる! 拙者が明かすに不思議はない!」
「案の定だ、貴殿書いたか!」ここで三郎兵衛ジリリと寄った。
「柴田氏」と冷やかに、将右衛門むしろ笑ったものである。
「が、その前に聞きたい一義、隠語どうして現われましたかな?」
「巻軸二本泉水に捨てた!」
「誰が?」とあごを突き出した。
「紀州大納言頼宣卿!」
「ほほう面白いお殿様で」
「と、巻軸水にぬれ、おのずと解けたそのおもてへ……」
「ワッハハハ白々と、明礬水で書かれた文句、隠語ともいえない平凡な奴が、あらわれましてございますかな」もう一度高く笑ったが、「――二個の唐櫃あずかりたる者、木地師の頭領富士見の将右衛門――さよう、こんなようにな」
「そいつを渡せ!」と今度は左源太。
「なぜな?」と将右衛門、差し出すあご。
そいつがにくいというように、「巨宝一人占め、まかりならぬよ!」これもやっぱり左源太であった。
「なに巨宝? これはこれは、天眼通とみえまするな」揶揄するように将右衛門、「だがその眼力、狂っていやしょう」