轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
けんきょうじゅなん
剣侠受難
国枝 史郎
「東京日日新聞」1926(大正15)年5月28日~11月14日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,479 字 · 394 页
暗示の言葉
「うん、ところで駕籠賃は?」キワドイところ、掛け合いをする。
「めっそうもない、そんなもの。なんの親分さん、戴きましょう」
「そうか」といったが奥歯をかみしめ、「おれはわいろは取らねえぜ」しかしとうとうニコツイてしまった。「駕籠賃ぐらいはいいだろう」
トンと駕籠へ腰を据えた。「早くやんな、ゆするなよ」
ホイホイというので駈け出した。
クックックッと早引の忠三、横っ腹を抱えたものである。「見せてえなあ、あねごによ。忠的忠的ってばかにするが、その忠的時によると、こんな儲けもするんだからなあ。それにさ、あねごはコキおろすが、中条流の縄だって、場所によっては役に立つ。クックックッ、ただの駕籠だア」
「へい四谷へ参りました」
「うん」というとヌッと出る。巴小路へ入り込んだが、いわば敵地へ乗り込んだようなものだ。オッチョコチョイの忠三ではない、顔も身体もひき締まった。巴御殿の玄関に立ち、「ご免」といった声にさえ、ピーンと覇気がみなぎっている。
暗示の言葉
巴御殿の表門から、一挺の駕籠がかき出されたのは、忠三が入り込んでから半とき後で、北をさして走って行く。内にはたれがいるのだろう? 牛込を過ぎ小石川に入り、掃除町まで来た時である。