轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
けんきょうじゅなん
剣侠受難
国枝 史郎
「東京日日新聞」1926(大正15)年5月28日~11月14日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,479 字 · 394 页
瓜二つ
じっと君尾をながめたが、
「これは意外! お京様!」こう叫ぶと走り寄り、つと君尾を引っかかえた。
「おお、お京様、拙者でござる!」武士の声は上ずっている。
瓜二つ
見知らぬさむらいにひっかかえられ、驚いたのは君尾である。「何をなされます、失礼千万!」ポンとさむらいを突きやった。「妾は君尾と申します。お京様などとはとんでもない。お人違いでございましょう!」
「ナニ人違い?」とそのさむらい改めて君尾を見詰めたが、
「や、いかにも。これはこれは、人違いに相違ございません」あわててとったは編笠である。そこで殷懃に小腰をかがめ、
「私事は袴広太郎、江戸の旗本、小禄者。尋ねる人がございまして、諸国漫遊に出でましたが、あまりによく似たお姿のため、とんだ粗相をいたしました。なにとぞご勘弁くださいますよう」ひどく恐縮してわびたものである。
君尾はかえって気の毒になった。
「いえいえそのようにご丁寧に、おわびくださるには及びません。よくあることでございます」
「はい」といったものの広太郎、小首をかしげざるを得なかった。
「驚いたなア、そっくりだ。中高の細おもて、高貴の姫君ではあるまいか? そういったような貴族的の鼻、夢見るような神秘的の眼! だが、いささかちがうのは、お京様の方には霊性があり、この娘には野性がある。