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けんきょうじゅなん

剣侠受難

国枝 史郎

「東京日日新聞」1926(大正15)年5月28日~11月14日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,479 字 · 394 页

青空文庫

忠三の空想

庭木がこんもり繁っていて、容易に奥が見えすかれず、まわりはグルリと金目垣、狆が一匹といいてえが猫と鸚鵡が住んでらあ。……とおれは思うのだ。……オヤどうした? え、島原! もう帰るのか。まあよかろう、茶でも飲みねえ。おれも乾いた」

ヌッと立ち上がった城之介、すごい笑いを浮かべたが、「能弁能弁、見事なものだ。が、時々すき切れがして、大事な奥がチラツイたぜ。だからあんまりしゃべらねえがいい。しかしおかげで……何さ馬鹿め!」フラリと部星から出て行ったが、すぐにジャラーンと鉄杖の音、門口のところから聞こえてきた。「待てよ」というと早引の忠三、胸に腕を組んで考えてしまった。

「しまった!」とわめくと飛び上がった。「ヤイヤイ誰かやって来い」

「へい」といって現われたのは、権十という部下である。

忠三の空想

「親方何かご用ですかい?」はいって来た権十きいたものである。

「うむ」というと早引の忠三、改めてじっくり考えた。「色ぼけている島原城之介、なんのあねごの離れ家を、目つけ出すようなことがあるものか。それにしてもちょっといい過ぎたなア。……それはそれとして君尾という娘、目つかったからには明かさなければならない。