轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

けんきょうじゅなん

剣侠受難

国枝 史郎

「東京日日新聞」1926(大正15)年5月28日~11月14日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,479 字 · 394 页

青空文庫

そうして巨大な材木の皮が、ひとりでにグングンむかれたり、また幹がひとりでに輪切られたり、板のように扁平に削られたり、そうかと思うと粗造ではあるが、盆や椀や筒などの形が、つくり出されるのを見ることが出来よう。

その建物のまわりには、栃だの欅だの檜だの、羅漢柏だの落葉松だの高野槇だのの、すぐれた木地が積み重ねられ、丘のような形をなしている。木地師達のくらしは規則正しく、そうしてきわめて清潔で、みだらなところなどは少しもない。

だがこれは不思議なことではないか! 元来木地師というものは、最も下等な漂泊民で、木地を目つけて山から山を、獣のように渡り歩き、採った木地類は漆器屋に売り、同族結婚、姦通、自堕落、無道徳というのが普通だのに! もっともいい木目を目つけたり、またよい根瘤を目つけたりすると、手製の小刀やのみなどで、簡単な器類は作るけれど、機械を備えた工場などを、持つようなことは決してない。それにかれらの住居はといえば、せいぜいのところ犬小屋のような、掘立小屋というようなもので、木小屋などへは住むものではない。めったに一ところへはとどまらず、絶えず漂泊しているものである。