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けんきょうじゅなん

剣侠受難

国枝 史郎

「東京日日新聞」1926(大正15)年5月28日~11月14日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,479 字 · 394 页

青空文庫

変わった城之介

いやなことだ、燃え残りなんか! だが無理にもくださるというなら、フッフッフッフッ、もらいますねえ。燃え残りの炭ッていうやつは、案外ポカポカ暖かいもので。そうしてなんだ、あつかいようによっちゃア、もう一度真っ赤に燃えますからねえ。ホイ、ホイ、ホイ、何をいうんだ! あねごがくれるともいわないのに!」

駄弁を弄しながら歩いて行く。と、三本のわかれ道へ来た。

「さてどっちへ行ったもんだろう?」

たたずんだおりから、うしろにあたり、かすかではあるが聞き覚えのある、鉄杖の音がジャラーンとした。

「あねご!」「忠さん!」「島原の野郎!」「つけて来たねえ!」「幽霊のように!」

またもジャラーンと鉄杖の音!

変わった城之介

城之介の鳴らす鉄杖の音、次第次第に近寄ってくる。別れ道に立ったお町と忠三、顔を見合わさざるを得なかった。

「あねご、どうしやしょう。逃げましょうか?」

「ナーニ」というとイスラエルのお町、一方の肩をそびやかした。「こわかアないよ。逢ってやろう。グッと妾が一睨みすると、手も足も出ないあいつじゃアないか」

「そりゃあマアそれに違いありませんがね。だが、うるさいじゃアありませんか。