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しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页

青空文庫

これは百勝将軍とよばれていますが」

「ほかに」

「もうひとり、あだ名を天目将軍とよばれ、今、潁州の練兵指揮をやっている彭。この二人を左右の腕にもてば、たとえ水泊の草寇など何万おろうと、不日、きれいにかたづけてごらんにいれる」

朝を退出してきた晩の総理邸での話だった。高と彼とはあくる日、禁軍の練兵場で閲兵をすまし、その足で枢密院へ行き、すぐ軍機の相談となったあとで、

「――陳州の韓滔、潁州の彭、その二軍人へ、ただちに召致の内命を発していただきたい」

と申し入れた。そしてこの両名もやがてまもなく着京した。あとは兵数如何。また装備如何。それを余しているのみだった。

兵員は呼延灼として、騎兵三千、歩兵八千、輜重工兵二千五百、伝令及び物見組約五百。すべてで一万四千人を要求した。

「よろしい。むしろ少数に過ぎはせんか」

と、高※(「にんべん+求」、第4水準2-1-50)はちっとも驚かない。だが一驚を喫したのは装備の方の請求だった。

よろい三千領、かぶと五千箇、かたな、長槍三千余本、鉾、なぎなた五千丁、弓、楯などは数知れずだ。このほか火砲、石砲、戦車。さらに禁軍武器庫に眠っていた大量な“網鎖の馬鎧”までぞッくり装備に積んで行った。