轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ひきょうのにちりんき
秘境の日輪旗
蘭 郁二郎
「秘境の日輪旗」少年文庫、新正堂、1942(昭和17)年9月25日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,829 字 · 169 页
な」
すると、その女の子は祥子だ!――英夫は思った。
「それで、祥ちゃんはどうしたんですか」
「ああ、ご存じでしたね、祥子を……それがわからんのですよ、私がくわしい事情をききたいために田舎へ行って見ると、祥子はもういないのです。行方不明なのです」
曹長は声をのんだ。
そんな貧しい暮しをしていたことも、両親に死に別れて行方不明になっていることも、英夫はすこしも知らなかった。
英夫の記憶にあるのは、快活な明るい笑顔をして、ピアノの練習曲を弾いていた、豊かな生活の中にいる祥子だった。かあいそうに、今はどこにいるのだろう!
「私は、間もなくまた、新しい任地に向わなければならないのですが、もし、無事でかえったら、祥子を探して引取ってやります。いや、きっと探し出します」
曹長は強くいいきった。
しばらく、靴音だけで二人ともだまって歩いた。
それまで気がつかなかったが、曹長はいつの間にか若松町の電車通りを余丁町の方に向って歩いているのだった。
すると、曹長は突然、
「もうじきです。……ところであなたのこれから会われる方は、どなただと思いますか?」
そういわれても、英夫にはまるで見当がつかなかった。