轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
さぶ
さぶ
山本 周五郎
「週刊朝日」 1963(昭和38)年1月4日号~7月5日号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 210,521 字 · 415 页
これもあとでわかったことだが、目明しを叱っていたのは町廻り与力の青木功之進と、同心の安井友右衛門、それに下役の岡村次兵衛という三人で、見廻りの途中ここへ立ち寄ったのであった。
下役の岡村が手拭を湯に浸して、栄二の顔や手足を拭き、裂けた唇や傷のできているところには、膏薬を塗ってくれた。傷にさわられるときだけ、栄二の顔は痛そうにしかめられたが、そのほかのときは痴呆のように無表情であり、誰の顔をも見ないし、なにをきかれても答えなかった。――本町の鳶頭から目明しの助二郎がどんな話を聞いたか、それを青木功之進にどう告げたか、栄二はまったく知らなかったが、訊問する青木の口ぶりから察すると、栄二は住所も名も職も云わず、本町の綿文でゆすりをはたらいた、ということになっているようであった。
「見たところ、そのような人間とは思えない」と青木は云った、「おれは町廻り与力の青木功之進という者だ、これにはなにかわけがあるように考えられるが、申すことはないのか」
栄二は答えなかった。青木は待った。
「あの店には火をつけてやる」と栄二は喉声で独り言を云った、「三人の火消し人足は殺してやる、それから、あとの岡っ引二人もだ」