轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

さぶ

さぶ

山本 周五郎

「週刊朝日」 1963(昭和38)年1月4日号~7月5日号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 210,521 字 · 415 页

青空文庫

十四の四

「きりょうよしだな」と栄二が囁いた、「年は幾つくらいだ」

「ええと」さぶは指を折ってみて、云った、「ちょうど十六だな、まだ子供なんだよ」

十四の四

出がらしですと云って差出された茶は、言葉どおり出がらしだったし、舌を焦がすほど熱く淹れてあった。栄二とさぶは上り框に腰をかけ、娘は「いそがれているものだから」と断わって、ひろげてある縫物を取りあげた。

「こちらが」と娘は針を髪でこすりながら、栄二とさぶを等分に見てきいた、「――栄さんと仰しゃるんじゃないんですか」

「そうなんだよ」とさぶが答えた、「どうしてわかった」

「まぐれ当りよ」と娘が云った、「三郎さんの話は栄さんのことばかりだったでしょ、寝ている父にまで栄さんの自慢ばなしだったんですもの、だからあたしすぐに、そうじゃないかなって思ったのよ」

「おおげさなんだよ」さぶは栄二に向ってはにかみ笑いをした、「そんなに自慢ばなしなんかしやしなかった、ほんとだよ」

「さぶがいろいろお世話になったんでしょう」と栄二は娘に云った、「私からもお礼を申上げます」

「いいえ、お世話になったのはあたしたち親子のほうなんです」娘は針の手を止めて云った、「あたしたち、三郎さんがいなければここから追い出されるところだったんです」