轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
けんきょうじゅなん
剣侠受難
国枝 史郎
「東京日日新聞」1926(大正15)年5月28日~11月14日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,479 字 · 394 页
全身汗びたしになりながら、隣室の様子をうかがった。と、少年の声がした。
「呼び入れて訓戒いたします」
「結構」と今度は老人の声。「が、人間の肝臓を、好んで食べたというような、盗跖のような兇賊なら?」
「ちと難儀でございますな。で、先生ならどうなされます?」
「さよう、私ならうっちゃって置きます」
「みすみす物を奪われましても?」
「ナニ、一個人の盗み高など、悪い為政者の国盗みからみれば、たいして問題でもございませんよ。もちろんよいことではござらぬがな」
「これはごもっともに存じます」
ここでちょっと話が切れた。忠三息づいたものである。「まずよかった。大丈夫。どうやら見のがしてくれるらしい。だが皮肉の連中だなあ。おれのいることを知っていながら、平気で噂をしているんだからなあ。底なしの大胆というのだろう。いったいどういう連中かしら?」
またも老人の声がした。「光殿、光殿。ご存じかな、道教における内丹説を?」
「たしか抱朴子にありましたようで」
「さよう、抱朴子にありました。一口にいえば気息の調和で。心臓から出ずる気、呵と称し、脾臓から出ずる気、呼と称し、腎臓から出ずる気、吹と称し、肝臓から出ずる気、嘘と称し、肺臓から出ずる気、泗と称す。