轻松读懂日语经典作品
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けんきょうじゅなん
剣侠受難
国枝 史郎
「東京日日新聞」1926(大正15)年5月28日~11月14日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,479 字 · 394 页
なぜ動かないんだろう? 道でも間違ったんじゃアないかしら? ……いったいここはどこなんだろう? ああ蓮華寺の裏手だよ、名高い渋沢の藪地前! えらい所へ来てしまった。袴様! 袴様! 袴様!」
もしやと思って呼んでみたが、もちろん返事は来なかった。ただ袴様、袴様と、その甲高い声ばかりが藪へつきあたったばかりである。風が渡るかその藪の木々、ザワザワとそよいで音を立て、その外側をなま白く、輪郭づけていた月光を、チラチラとはね返すばかりであった。依然としてネロは動かない。地面のひと所を見詰めている。気がついたお町、地面を見た。まさしく血だまり、そこにあった。
「おおそれでは袴様は、ともかくここまでは来たものとみえる。そうしてここから? そうしてここから?」どこへ行ったものか。ネロが案内しない限りは、お町には知ることは出来なかった。そうしてネロには案内出来ない。ここを最後に血のしずくが、地面にしたたっていないからである。絶望してペタペタと坐ったが、一方この頃長崎左源太、耕地を町の方へ走っていた。
巻軸の片割れ
長崎左源太走って行く。
「危難はのがれたというものさ。