轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

けんきょうじゅなん

剣侠受難

国枝 史郎

「東京日日新聞」1926(大正15)年5月28日~11月14日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,479 字 · 394 页

青空文庫

湛慶滝

「時期は?」といって冷静に見た。

「さようでござるな、明払暁……」

「ちと永すぎる」とまたまた左源太。

「いや、よろしい」と三郎兵衛、アッサリ引き受けたものである。

「朝日出ずるを合図としましょう」

「承引の場合は竹ぼらを、拙者吹くことに致しましょう」

「ふん、不承知の場合には?」また左源太め、ひじを張った。

「へいへいなんにも吹きましねえ」

立ち帰る二人を見送りもせず、夜まで考えていた将右衛門。

「いわなけりゃアならねえ、山の小父さんへ」湛慶滝の方へひた走った。

湛慶滝

仏師湛慶この滝に籠り、東寺南大門西方力士を、きざまんと欲して祈願をこむ。龍神感応音をとどむ。――巨大な滝でありながら、少しも水音のしないのは、これがためだといわれている。もちろんいいかげんの伝説ではあろうが、事実、全く不思議なことには、湛慶滝は水音がしない。で、今も滝は落ちているが、数十本の白布でもたぐるように、白々と見えるばかりである。おそい月はまだ出ない。星ばかりが今にもこぼれそうに、空いっぱいにもりあがっている。滝壺のまわりは岩組みである。そこにうごめいている一つの人影、ぼっとあかるい滝の光で、ぼんやり輪郭づけられている。