轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
けんきょうじゅなん
剣侠受難
国枝 史郎
「東京日日新聞」1926(大正15)年5月28日~11月14日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,479 字 · 394 页
逢えぬ予感
こいつが忠三にはわからないらしい。
「妾にもそいつはわからないがね、よい意味にとればこうなるのさ。傷を負って袴様が倒れていたので、捨てても置かれず助けたんだとね」
「なるほど、ところで、悪い意味にとれば?」
「悪い意味になんかとらないよ」
「大変結構でございます。大変楽天家でございます」
二人はズンズンのぼって行く。
「だがねえ忠さん」とイスラエルのお町、にわかに感傷的に呼びかけた。
逢えぬ予感
感傷的に呼びかけたが、どうしたものかイスラエルのお町、そのままフッとだまってしまった。別に忠三も聞き返さない。二人ズンズン歩いて行く。松明の光の届く中で、草の露がチラチラ反射する。
「だがねえ忠さん」イスラエルのお町、もう一度感傷的に呼びかけた。「ほんとうのところを白状すれば、妾アだんだん心配になってきたよ」
「へえさようで、変てこですな。……何がいったい心配なんで?」忠三今度は聞き返した。
「……逢おうとしても逢われない、……あの時聞いた南蛮屋での歌、あいつが本当になりそうな気がして。……」
「ははあなるほど、予感というやつだな。ナーニ大丈夫でございますよ。すべて目的の一歩手前、そこまでこぎつけると大概の者は、かえって否定的になりたがるもので。