轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

けんきょうじゅなん

剣侠受難

国枝 史郎

「東京日日新聞」1926(大正15)年5月28日~11月14日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,479 字 · 394 页

青空文庫

さてところで原の城だが、そこへ一揆があつまった頃から耳よりな噂が聞こえてきた。というのはほかでもない。莫大な財産のあり場所を、明細に記した巻軸を、持っているという噂なのだ。よしよしそいつを奪い取ってやろう! そこでな、わしはこっそりと、二人の家来を入城させた。銅兵衛という杉窪の長と、将右衛門という木地師の頭だ。……そのうち原の城は落ちてしまった。二人の家来からはたよりがない。すると去年の秋だったが、由井正雪めがやって来て、その巻軸を見せてくれたよ。なんというこいつばかなことだ! わしがイマニエルへくれてやった、千代田の城の絵図面じゃないか! そこでわしは感づいたものだ。こやつイマニエルめ、細工をやったなと! つまりイマニエルめ、そいつを種にそんなおとぎばなしをこしらえあげ、宗徒の結束をかたくしたものさ。……人間の仕事ってこんなものだ! わしはつくづく思ったものさ。自分で穴を掘って自分で落ちる! でにわかにいや気がさし、ポンと野心まで捨ててしまったのさ。アッハハハなんと光殿、そんなものではござらぬかな」ここで頼宣薄ら笑いをしたが、「いやもうこんな過ぎ去ったことは長く話すにも及ぶまい。