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ひきょうのにちりんき

秘境の日輪旗

蘭 郁二郎

「秘境の日輪旗」少年文庫、新正堂、1942(昭和17)年9月25日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,829 字 · 169 页

青空文庫

無電室での会話

「気持の悪いものね、こんなに大きなものでやられたら主力艦だって危いわ」

英夫はピストルか、鉄砲か、何か身を護るものがほしかったが、あいにくそうしたものは、要塞員たちが、みんな部屋の中に持ちこんであるとみえて、見あたらなかった。

「いったい、何階になってるんでしょう、こんどで五階目だわ」

階段を上りながら祥子がいった。

無電室での会話

五階が一ばん上らしかった。そこには、無電室と、天文台の望遠鏡のように外部に向って据えられた大砲ともつかない、魚雷発射管ともつかないようなものがいくつもあった。

そしておどろくべきことには、庇のように突き出た格納庫の中に、数台の飛行機さえも尾翼の方を見せるようにしておかれてあった。

「飛行機を、どうして海から飛ばすんでしょう……考えられないわ!」

祥子がいった。

「何かカタパルトのようなもので海上へ発射するんじゃないのかな、それとも僕が最初から考えていたように、どこかに海面へ出られる抜け道があるかも知れないね」

「こんな大仕掛な海底要塞からねらわれていたら、いくら無敵の日本軍だって心配だわ、どうかして早く知らして上げられる方法がないものかしら、一刻も早い方がいいと思うわ」