轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ひきょうのにちりんき
秘境の日輪旗
蘭 郁二郎
「秘境の日輪旗」少年文庫、新正堂、1942(昭和17)年9月25日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,829 字 · 169 页
今は中尉だが、どこにいるか英夫もくわしくは知らない。ただ南方の特務機関に勤務していることだけはたしかだ。
と、いうのは、去年の秋ごろ、広東から一通の手紙が来て、これから広東よりももっと南の、○○方面の特務機関として赴任する。もし、計画が予定どおり進めば、世界を驚かすような「驚天動地の大事業」にとりかかることになっている。その時には、お前にもぜひ手伝ってもらわねばならない。兄さんから電報か何かで知らせがあり次第、出来るだけ早くやって来るように……。ただし、それは、いつのことになるか、前もっていうわけには行かない。兄さんの行動や、それらのことは軍の機密に関係していることだから、くれぐれも人には話さないように……と、兄にしては珍らしく細々と書いてある、長い手紙だった。
英夫には、わかったような、わからないような手紙である。ただいつか兄の側へ行き、「驚天動地の大事業」に手伝えるのが嬉しかった。
それから間もなく、大東亜戦争がはじまった。十二月八日、突如、米英に宣戦の大詔が渙発された。英夫が予想もしなかった大事件である。
「兄さん、ばんざい!」
と、英夫は思わず、ラジオを聞いて叫んだ。