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くいどうらく

食道楽

村井 弦斎

秋の巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,435 字 · 329 页

青空文庫

第二百二十二 胃と腸

ただし焼く間は十分間ごとにテンパンを抽出し鳥より出たる汁を鳥の上へ掛けるべし。

○また家鴨を背より二ツに割き頭と臓腑とを取去り塩胡椒を振掛け金網に載せ弱火にて鳥の上へバターを幾度も塗付ながら一時間焼くべし。附合物に湯煮たる馬鈴薯を用いてよし。

○家鴨のシチュウは最初家鴨を手は手、足は足という風に骨付のまま切りほどき、フライ鍋へバターを溶し前の家鴨を入れて強火にて両面の少しく焦げるまでいため別にバター一杯にてメリケン粉一杯をいためスープ一合を加えて塩胡椒にて味を付けたるブラウンソースにて前の家鴨を一時間ほど弱火にて煮るなり。なお湯煮たる馬鈴薯と人参とを家鴨とともに煮て附合物となす。

○前文ブラウンソースへ葡萄酒二合加えたるソースにて前文家鴨を煮れば一層味良し。

第二百二十二 胃と腸

広海子爵も中川の談話に惹入れられ「中川さん、そういう事を伺ってみると我輩なぞは実に迂闊千万で、腹が悪るければ何でも同じ物を食べなければならんと思っていました。どういう場合に胃が悪くなり、どういう場合に腸が悪くなるのでしょう」中川「それは種々の原因があって一口に申されません。腐敗物を食べたり暴食をするのは勿論の事ですけれども平生小食をしていても食物が一方に偏すると胃が悪くなります。