轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
うえすぎけんしん
上杉謙信
吉川 英治
「週刊朝日」1942(昭和17)年1月4日号~5月24日号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 129,102 字 · 256 页
――が、先にゆく謙信も、徒歩の彼らも、もちろん無人の野を行くのではない。前から塞がれる。横から襲われる。うしろから包まれる。それを蹴ちらし、突き伏せ、踏みこえ、奮迅また奮迅の果てなき血中行であった。
当然――謙信、旗本勢に続いて、ほかの散隊も、どっと後から駆け合せ、ここに一筋、激浪中の奔流をもりあげた。
――敵味方、三千六、七百人、入リ乱レテ、突キツ突カレツ、伐チツ伐タレツ、互ヒニ具足ノ綿噛ヲ取合ヒ、組ンデ転ブモアリ、首ヲ取ツテ起チ上レバ、其首ハ我主ナリ、返せ渡セト鑓ヲツケ、斫リ伏セニ躍リ行クナド、十六、七歳ノ小姓、草履取ノ末ニイタルマデ、組々トナツテ働キ、手ト手ヲ取ツテ戦ヒ、果ハ刺シ交ヘ、髻ヲ掴ミ合ヒ、敵味方一人トシテ、空シク果テ申シタルハ無之候
とは「甲陽軍鑑」の記しているところであるが、激突の状もさこそと思われる。
いずれにせよ、武田太郎義信の一隊は、またたくまに突破されてしまった。いわゆる七花八裂の惨状を浴び、あれよというまに、謙信はすでに、今暁から偵知していた信玄の中軍へ向って驀しぐらに駆け込んでいた。
驟雨一電
謙信はあたうかぎり馬上の半身をかがませて、面を鬣に俯伏せていた。