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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
「日本」講談社、1958(昭和33)年1月号~1961(昭和36)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 页
新夫婦の矮虎と一丈青は、裏山の牧の馬監とする。
杜選、宋万は、宛子城の二の木戸の守備に。
劉唐、穆弘は本丸ざかいの三の木戸。
南山の水寨は、阮の三兄弟にあずける。
その他、造船廠、鍛冶房、銭糧局、織布舎、築造大隊、酪乳加工所、展望台組、倉庫方、邏警部など、あらゆる適所に適材をおき、水際巍然、少くもここの寨では、遺賢をムダに遊ばせておかない智恵が自然な地と水の如く繞りよく思い巡らされていた。
一方。かの雷横は、
「母上、ただいま帰りました」
と、城県のわが家に入るやいな、まず老母の室をみまい、あくる日はさっそく、県役所へ出て、出張先の要務を復命し、これでやっと、いささか身軽となった夕心地を、町辻の風に吹かれながら戻って来た。
すると、土地の遊び人で李小二という奴さん。出あいがしらに、
「おお旦那あ、お珍しいじゃござんせんか。いつお帰りで」
「いや帰ったばかりなのさ。まだ旅疲れだ」
「そいつあ、ちと、さっそく過ぎますが、どうですえ旦那。ひとつ面白れえ小屋掛け演劇を……いや演劇でもねえナ……水芸の太夫さんですがね、ちょっとご見物になりませんか」
「ふうむ、そんな旅芸人が土地へ来ているのか」