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とうおういぶん
東奥異聞
佐々木 喜善
「東奥異聞」閑話叢書、坂本書店、1926(大正15)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 63,862 字 · 124 页
、こうありました。二人の姉娘どもはいずれのわざにも失敗をしましたが、三番めのいちばん末の妹は三つの試しをどれもりっぱに成し遂げました。そこでその娘が花若のお嫁さんになりました。
ところが二人の姉娘どもは、あんまり泣いてそうして恥ずかしがってとうとうネズミになって、梁の上に逃げていってしまいました。長者はそれをかわいそうだと思ってそうでないんだけれども嫁子どもだといってやりました。そのことのあったのが小正月の晩だったというので、いまでもそれを思うてやるために、村の家々ではかならず嫁子だちの小餅をとってやるのだということであります。江刺郡の村に残っているネズミの起原の話がまずこんなふうなのであります。
私はこれで奥州地方の民間に残っている、二つのネズミの起原の話をいたしました。そうして二つともたいへんすじが違っているけれども、人間の少し邪なことが原因で同じくこの小獣になったというように物語られております。ほかにも多くの違った例があることと思います。そのような末々の話を集めて比較してみますと、われわれの祖先の人たちがこんなものに対して考えた、なつかしい心持が今日のわれわれにもあらましながらにわかって参ります。