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とうおういぶん
東奥異聞
佐々木 喜善
「東奥異聞」閑話叢書、坂本書店、1926(大正15)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 63,862 字 · 124 页
三
タツ 同郡同村仙人峠の長者洞、ウソトキ 同郡土淵村字恩徳金山、ウソトキ 同郡栗橋村字青木金山、オソトキ 同郡甲子村字大橋日影沢(?)ウソトキ 同郡小友村日石金山跡、オソトキ 紫波郡佐比内村銅ヶ沢金山、ウソトキ(?) 同郡彦部星山赤坂金山、ウソトキ(?) 陸奥岩木山麓百人沢、ウソトキ 羽後国鉱山地方某所、ウソトキ
など親金が黄金のウシであることは、いずれも同様であります。
三
私は前述のように黄金のウシの口碑というのが、いかなものかということについてはほぼ言い尽くしたように思います。それで金鉱の親金がウシの形態をしていたこともそれを引っ張り出そうとして千人あるいは七十五人、百人万人と多くの生命が滅びたということも、そのときたった一人のウソトキという者が、他から呼び出されて、すなわち他動的に生命拾いをしたということも、読者のかたがたにはたいがい肯かれましたことと思います。
そのついでにもう一歩を進めてくだすって、私が前述しておいた疑問すなわち、どうして黄金とウシとがくっついたかということ、それからその墜死した人数の観念のうちの七十五人と決めたのがどういうわけであるかということ、もちろん百人、千人、万人とは単に多数という観念の表象語でありましょうけれども、ここに七十五人と言いきったことは合点がゆき