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とうおういぶん

東奥異聞

佐々木 喜善

「東奥異聞」閑話叢書、坂本書店、1926(大正15)年3月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 63,862 字 · 124 页

青空文庫

四

五

陸申閉伊郡綾織村の某媼の話)。

四

なおこの話のデテールにわたっては、さきのサルとカニの掛合いの段などでも、なんでえサルっぺのこ掻っ潰されなよとカニがいうと、サルも、なんだカニ甲羅踏ん潰されねえっといったと言い、子ガニが親の仇討ちに加勢を頼みにほうぼうにいっていう言葉も、おら親のサブキの中さ隠れて見ていた、あのごくどう者の山ザルだ。どうぞハア親の仇討ちにすけてたんもれといったというようにも話されている。臼もドンズルスになったり、ベゴの糞もベタクソ、あるいはアワ粥の走り糞となったりしている。

五

また別話だが、ある所の藪にスズメが巣をかけて、そのなかに卵を産んでいると、山母がきて、スズメ スズメ、おれに卵を一つくれろ、くれなかったら汝をとって食うぞといってとって食ってしまった。そのときたった一つの卵が藪のなかに落ちて助かった。やがて日がたってかえって、大きくなって、あちらのイナハセからイナ穂を集め、こちらのイナハセからイナ穂を拾い集めして、団子をこしらえて背負って、背負ったものは米の団子のほん団子だと言いふらして、親の仇討ちの加勢を頼みに歩いた。スズメの子に加勢したのは、トチの実と、針と、ベゴの糞と、カニと、土摺臼とであった。