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とうおういぶん
東奥異聞
佐々木 喜善
「東奥異聞」閑話叢書、坂本書店、1926(大正15)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 63,862 字 · 124 页
嫁子ネズミの話
一
江戸のほうへは遠慮しても、奥州のヒョットコはこんなような種々の表情を投げている。
(2)ウントク童の話は、江刺郡では梁川村の某川の淵、紫波郡では南昌山の麓の笊淵からもらってきた童だというように話している。
嫁子ネズミの話
ネズミの話は、日本の神代史のあたりにも、かの有名な大国主神を火中からお救い上げた話など、ふんだんにあります。しかし、そういう神話などは別にして、私たち祖先の人々、すなわち農民の――平民の――なかから起こった話にはどういうのがあったか、それはかなり多くの民譚がありますが、私はそのうち、奥羽地方の民間のなかに残っているネズミの起原の話をつぎに一、二お話しようと思います。
一
羽後の国、北秋田郡荒瀬村という所は、同国のうちでも有名な山郷で、そして村の大部分は狩猟でもって年中の生活をたてている所であります。この村の山中にこだまネズミというて、普通のネズミよりはやや小がらな、焦茶色の艶のある毛色のネズミがすんでおりますが、この小ネズミが、酷寒の樹木の枝などが凍り折れるようにしばれるときなど、木のまたなどにいて、じつに恐ろしい音をたてて破裂してしまいます。